身体にこえる寒さが続く2月・・前回は冷え性についてお話ししました。
その冷えとも関係がある「むくみ(浮腫)」を今回は解説していきますが、皆さんはむくみに悩んだことはありますか?
特に夕方頃になると足がむくんでしまってパンパンになってしまうこと経験ありませんか?
多くの方、その中でも圧倒的に女性の方はむくみに悩んだこと、現に今もむくみ対策に勤しんでいることが多いのではないかと思います。
一般的には立ち仕事の人に多い症状ですが、デスクワークの人にもよく見られます。
このむくみというのは医学的には「浮腫(ふしゅ)」といい、皮下組織(皮膚の下)に水が溜まった状態のことを指します。
例えば足やすねなどを指で圧迫するとその痕(あと)がなかなか戻らないような状態のことです。
ただ今述べた「浮腫(ふしゅ)」の状態は病的な浮腫の傾向が強く、一般的な健常者が想像している「むくみ」より非常にきつい状態のものです。今回ご紹介していくむくみは病的なものは割愛して、健常者に起こるむくみについてご紹介していきます。
浮腫(むくみ)とは?
むくみとは、体内の余分な水分が細胞と細胞の間(組織間質液)に溜まり、皮膚や筋肉が膨れてしまう(腫れた)状態を指します。
つまり、身体の中に余分な水分が溜まってしまっている状態のことです。
通常、体内の水分は血管内を循環し、不要な水分は腎臓を通して尿として排出されていきますが、なんらかの原因でこのバランスが崩れると水分が細胞と細胞の間に停留してしまって、むくみが発生していまう、という状態になります。
水分は細胞の中に2/3、細胞外に1/3の割合で分布しています。
毛細血管には非常に小さな穴があり、そこを流れる血液の中に含まれる「酸素や栄養」をその穴を通して血管外に排出しています。
そして細胞間同士で酸素や栄養を交換したり、または二酸化炭素や不要な老廃物を毛細血管内によりこんだりしています。
この細胞間の隙間を満たすのが「組織間質液」といいます。
むくみが発生している時は、この毛細血管から滲み出てくる水分量が増えてしまい、そして組織間質液から血管に戻す量が減り、組織間質液が多くなることでむくみが発生してしまいます。組織間質液は血管だけでなく、リンパ管にも水分を送っているので、リンパ管がつまることでもむくみの原因となる場合があります。
浮腫(むくみ)の原因について
むくみの原因にはいくつかありますが、主には血液循環不良の影響が大きいです。
特に下肢は心臓より下にあることで血液は重力に拮抗して心臓に戻っていかないといけない状況であるため血液が心臓に戻りにくくむくみやすい状況にあります。下肢にたまりやすいからこそふくらはぎの筋肉を動かしてポンプのような作用で下肢に溜まった血液を心臓に戻すようにしていきたいところですが、女性はもともと筋肉量が少ないこともあり、血液が滞りがちとなってしまいます。
その他では、
- 塩分の過剰摂取
- ホルモンバランスの変化
- アルコールの摂取
などがあります。
1)塩分の過剰摂取では、食事において塩分の多いものを摂った時に、身体の中のナトリウム濃度が上昇し、水分を溜め込んでしまいむくみが発生してしまいます。私たちの身体は塩分濃度を一定に保とうとするため、塩分を摂りすぎると濃度を薄めようと働くためのどが乾いて飲水量が増えるなんてことが起きてしまいます。
2)ホルモンバランスの変化では、特に女性は生理周期や妊娠、閉経にともなっての更年期障害などの症状などホルモンバランスの変化によってむくみやすくなります。エストロゲン(卵巣で分泌され、女性らしい身体つくりを助けるホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモンとも呼ばれ、エストロゲンとともに周期的に分泌されるホルモンで排卵に関わるホルモン)の増減が体内の水分バランスに影響すると言われています。
そのため生理前や生理中などで顔全体がぼやっとむくんでしまうことがあります。
3)アルコールの摂取では、アルコールによる利尿作用により体内で脱水を引き起こすため、摂取後には身体が水分を保持しようと働いてしまうためむくみが生じることがあります。
浮腫(むくみ)の症状について
一時的に起こる生理的なむくみは全身のどの部分でも起こる可能性がありますが、なかでも起こりやすいのは下半身、皮下脂肪の少ないまぶたや頬、手の指などです。体内の水分は重力の影響で身体の下へ移動するため、1日の活動を終える夕方に下半身はむくみやすくなります。
逆に就寝中は下半身にあった水分が上半身に移動するため、起床時は顔がむくみやすくなります。
これはよくよくある症状であり、一晩寝て起きたら解消してるものですが、これが一晩寝ても解消できていなかったり、痛みや全身のむくみを伴っていたりする場合には、病気が隠れている可能性があります。少しでもおかしいと思ったら内科などに受診にいきましょう!
自分でも簡単にできる浮腫(むくみ)の対策について
むくみは身体に余分な体液が一部分に集まってしまってる状態であるので、むくみが気になる箇所のマッサージ(優しく)は有効です。
この時に各リンパ節に目掛けて流すように優しく誘導していくことがコツです。
(リンパ節付近が硬くなっていると流れにくくなってしまうので、流すようなマッサージをする前にはリンパ節付近をマッサージして柔らかくしておきましょう)また下肢に溜まった水分を心臓の方へ戻したい時には手で行うのも良いですが、仰向けに寝た状態で両足を壁に立てかけるようにして5分ほどいるだけでもむくみは改善できます。運動後にはあらゆる体液が下に下がってしまっている状態になっていることがあるので、運動後に壁に両足を立てかけておくことをおすすめいたします!
あとは普段の食事のところで気をつけていくことがむくみを起こさせない工夫となります。
塩分はむくみの原因となるので、塩分控えめを意識すること、そしてもし塩分が多いような食事(外食とかはどうしても多くなります)を摂った後には、カリウムが豊富に入っているようなものを摂ることで対策できます。ちなみにカリウムは腎臓で塩分が吸収されるのを抑制し、なおかつ尿中への排泄も促します。カリウムが多く含まれる食材としてはほうれん草、小松菜、アボカド、バナナなどが代表的です。
その他ではTVのCMでもやっているような下肢の圧着ストッキング(弾性ストッキング)などでそもそもむくませないようなグッズを用いることも自分で簡単にできる対策としてあります。
長期的なところで考えていくと、全身の筋力をつけていくことがむくみ対策には最適です。
地球上で生きる以上、重力は無視できないため下肢はむくみやすくなります。下肢に対して筋肉トレーニングをしていくことはポンプとしての役割のある筋肉を養うことになり、むくみ対策がなされることになります。
しかし!筋肉はすぐにはつきません。2−3週継続してトレーニングをしていくことでだんだんと筋肉がついていくので根気よくやっていく必要があります。
☆おすすめのトレーニング【カーフレイズ:つま先立ち・かかとあげ】
バランスをとることが難しい場合には壁や椅子の背もたれに軽く触れ、両足のつまさきを着いた状態でかかとをゆっくりとあげていく運動を繰り返します。この繰り返す運動ではふくらはぎの筋肉「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」を収縮ー弛緩することができ、この動き自体がポンプの役割となり下に溜まっている体液を心臓へ戻してくれます。
ご紹介した内容をぜひご自身でも試して身体を浮腫ませないようにしてみてくださいね!
以上、浮腫(むくみ)についてでした♪
京都市 右京区
京都市 中京区
京都市 上京区
大阪府 高槻市
石川県 金沢市