皆さんは子どもの体力や運動能力が昔に比べるとだんだんと低くなってきていることをご存知でしょうか?
文部科学省が行なっている「体力・運動能力調査」によると、現在の子どもの体力・運動能力の結果を30年前と比較するとほとんどのテストが下回っている結果になっています。骨格や体格は30年前に比べると向上しておりますが、体力・運動能力が低下していることはあまりいい話ではありません。ここの問題は国や自治体レベルで対策を検討していかなければいけませんが、まず身近な家庭やコミュニティでも解決方法はあると思います。未来ある子どもたちを大人が守っていきたいですね。
そして体力・運動能力とも関係しているのが姿勢です。
その姿勢も昔に比べると良くない姿勢で過ごしている子どもたちが増えているのではないかと言われています。
その原因はいくつかありますが、特に挙げるならばスマートフォンの普及やゲームの浸透と言っても過言ではありません。
いわゆる猫背の姿勢で小さな画面を何時間も見続けており、友達の家に遊びに行ったとしても友達たちと外で遊ぶわけでもなく個々がゲームをしている、なんていう状況もよくあります。
これに関してはスマートフォンやゲームの普及だけでなく昔に比べると遊べる場所が少なくなっていることも原因の一つと言えます。
例えば公園があったとしても「ボール遊び禁止!大声を出して遊ばない!」など制限が多かったり、交通量が多く遊ぶには不適であったりします。またご両親が共働きでお子さんだけで外で遊ばせることが危ない、などといった理由からも昔と比べて体力が落ちても仕方ない、といえる状況です。
基礎的な体力が落ちてしまうといい姿勢を維持する筋力も自ずと低下していると言えます。
普段の姿勢も「姿勢が悪い!」と言われる機会が増えてしまっている可能性もありますし、勉強をする際の姿勢も問題になっている可能性があります。
身体(体格)と椅子・机があっていなければいい姿勢も取ることは難しいのですが、身体と椅子・机があっているのにもかかわらずいい姿勢が保てないことは何が起きているのでしょうか?
また姿勢が良くない状態で勉強をすることで何がおこりうるのか?考察も含めて紹介していきます。
なぜいい姿勢で勉強をしなくてはいけないのか?
そもそもなぜいい姿勢で勉強をしないといけないのか、ふと考えた時に姿勢が悪い状態で勉強を行うと、
①脳に酸素をしっかり送りにくくなるため
②頭で物事を考えたり計算したり理解したりすることがしにくくなるため
③集中しにくいため
などがあります。子どもの時期に勉強をする目的については、さまざまありますが大きくなって行った時に社会で生き抜くためであり、人生を楽しむためでもあります。
しかしそれがわかるようになってくるのは大人になってからでしょうし、子どものときにはなかなか理解しにくいものです。
そのため大人はできる限り子どもが楽に、いい姿勢を取れるように環境を整えてあげたり、いい姿勢で勉強した方が良い、気持ちがいいということを体験させることが大切です。
いい姿勢を保つことのメリット
前述したように悪い姿勢では、脳に酸素が十分に行きづらく、考えたり理解したり、集中がしにくくなってしまうことがあります。
ではいい姿勢を保つことで何が期待できるのかをご紹介していきます。
(1)呼吸がしやすくなり循環も良くなる
猫背のような悪い姿勢では身体の正面が縮こまった状態で胸が開きにくくなります。
そのため肋骨の動きが制限されたり横隔膜も動きにくくなることで呼吸がしにくくなり、体内の酸素の取り込みが悪くなってしまいます。
反対にいい姿勢では正常な位置に肋骨があることで胸の動きがしやすく横隔膜も動きやすいため呼吸がしやすく、体内に酸素を取り込みやすくなります。脳に十分な酸素や栄養を運べないと頭は正常に働くことはないので呼吸がしやすくなることはとても大切なことです。
呼吸には肋骨についている筋肉も重要ですが腹筋群のインナーマッスルもとても重要になっていきます。
悪い姿勢ではこのインナーマッスルは硬くなってしまったり機能しにくくなってしまいます。
しかし背すじを伸ばして胸を張ったいい姿勢ではインナーマッスルも使いやすく呼吸しやすくなります。
(2)集中しやすくなる、集中力が持続する
(1)脳に酸素がしっかり取り込んでいなければ集中もしにくい状態ではありますが、その他にも姿勢が整うことで脳への信号伝達がスムーズに行われ、情報を処理する力や記憶力が高まったり、思考したりする力が発揮しやすくなると言われています。
学校では先生の話を聞くことが多くあります、集中状態で話を聞くことも学習には非常に大事な力であり、理解力を高めるためにも重要です。
神経系の発達は8−9歳頃にピークを迎えて12歳頃にはほぼ完成します。
そのため小学生の時期が一番伸びるゴールデンタイムであり、この時期にいい姿勢で勉強に向かわせておくことが将来に繋がる大事な時期です。
子どもの将来を守るためにも大人が理解して環境をつくっていきたいところです。
いい姿勢で勉強させるためには
子どもは成功体験を繰り返すことで自然にできるようになっていきます。
そのためいい姿勢で勉強をした方が早く宿題が終わる、問題が早く解ける、ひらめきがある、など子どもの学習意欲に繋がりやすい結果をフィードバックしていくことがポイントです。
あとはいい姿勢をつくるポイントとして
①目線を水平にする
②背筋を伸ばす
③肩(肩甲骨)の高さを左右同じにする
です。
ただなかなか継続させることは難しいと思うので、まずは環境を作ってあげることが重要です。
椅子の高さが適切であるか(座った時に足の裏が両側ともついているのか)、椅子に深く座り膝・股関節は90度くらいに曲げている状態であるか、机と太ももの間は握り拳が一つ分あるかを確認する必要があります。
そしていい姿勢を取る!となると全身が緊張してしまい肩の力が入ってしまう子も中にはいます。いい姿勢を取る際にはリラックスして肩の力がそこまで入らないようにしておきましょう!
専門家に任せるのも手段の一つ!
子どもの学力向上は親御さんとしてはなんとかあげていきたいところではあると思います。
だからこそ熱心にいい姿勢で学習に向かわすことをしていくと思いますが、あまりにも強要しすぎるとお子さん自身が勉強に対してネガティブなイメージを持つ可能性があります。
また両親とも共働きでなかなか関わる時間が少なくやきもきしているかもしれません。
そう言った場合には是非ともプロフェッショナルの力を借りてください!
当院では、まずいい姿勢がなぜ取りづらいのかカウセリングや姿勢・動作の評価を行い、いい姿勢を保てない問題の部分に対してアプローチしていきます。運動不足からきている場合には一緒に楽しいエクササイズを行ったり、自宅でも一人でできる簡単なエクササイズを指導していきます。
そのためいい姿勢が無意識にできていた!となれるようにいい姿勢獲得に向けたアプローチをしていきます。是非ご相談ください!
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