「あれ・・肩が痛くて上がらない・・?」「何もぶつけたりしてないのになんで痛いの?」と気づいた時には、だいぶ進行している五十肩(ごじゅうかた)。「まあ、ほおっておいたら治るでしょう、湿布でも貼っておくか・・・」と油断していると大変なことになります!
この五十肩の由来は江戸時代の学者が出した書籍の中にあった話とも言われていますが、50代頃に多い肩の問題からそう言われています(同じように四十肩もありますね)。
正式名称は「肩関節周囲炎」であり、肩こりとは違って症状が強く日常生活にも大きく支障がでてくる厄介な疾患です。
この五十肩をしっかりと対処しなければ痛みが繰り返し起きたり、肩の動きが極端に悪くなったり様々な悪影響がでてしまうので適切な治療とリハビリテーションが鍵となります!
「あの時しっかりと治しておけばよかった・・・」と後悔しないためにも今回は五十肩(肩関節周囲炎)についてご紹介していきます。
五十肩の説明の前に!
そもそも肩関節は複雑な構造をしております!一般的に肩関節、と聞くと腕の骨の上腕骨の頭の部分(上腕骨頭)と肩甲骨のお皿の部分(肩甲骨関節窩)で構成される肩甲上腕関節をイメージしますが、実は肩関節は複合している関節であり5つの関節があります。
関節を含む軟骨などの組織でできている解剖学的関節は①『肩甲上腕関節』②『肩鎖関節(肩甲骨と鎖骨で構成)』③『胸鎖関節(胸骨と鎖骨で構成)』があります。
また関節を構成する組織はありませんが機能的に関節のような役割を果たしている機能的関節には④『肩甲胸郭関節(肩甲骨と胸郭の間)』⑤『肩峰下関節』があります。
そのため、どれか一つでも機能が悪くなってしまうと全ての関節の動きに影響してしまいます。
さらに肩関節(肩甲上腕関節)は股関節と同じように球関節といわれる関節で自由度が高い関節の構造をしております。
股関節との違いは受け皿に対してボールが多いため脱臼しやすかったりトラブルが多いことです。
自由度が高いからこそ不安定性を生みやすく、また構成する筋肉や靭帯、関節包など肩関節をサポートする組織が多いからこそ複雑な構造になっております。
肩関節を動かすための筋肉は多くあり、特に重要になってくるのはインナーマッスルである「肩板(けんばん)」です。
肩のインナーマッスルは肩甲骨と上腕骨をつなぐ棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つからなり、それぞれがうまく機能しなければ肩の動きをうまくできない状態になります。
五十肩(肩関節周囲炎)の病態について
中年以降、特に50代に多くみられ、関節を構成する軟骨、靭帯や腱などが老化して肩関節周囲の組織に炎症が起きてしまう病態です。
感染症、腫瘍、骨折、脱臼や打撲など原因がはっきりした疾患をのぞいて明らかな原因がわからない関節軟骨や靭帯などの老化による症状のものは「肩関節周囲炎」と診断されることが多いです。
肩関節の動きをよくするためにある滑液包(肩峰下滑液包)や関節を包む関節包が癒着してしまうとさらに動きが悪くなってしまい、拘縮(こうしゅく)や凍結肩とも呼ばれます。
五十肩の症状について
- 肩の痛み(寝ている時や起床時、動作時など)
- 肩の可動域制限
- 肩・腕を使う日常生活動作が行いにくくなる(髪を結ぶや服を着るなど)
肩を上げるような動きが痛みによって制限されるため身の回りの動作では被り物の上着を着にくくなってしまいます。
また女性の方ではブラジャーのようにホックを後ろでとめるような動きが痛みでできなくなってしまうので、日常の何気ない動きに支障がでてしまいます。また痛みが強くなってくると就寝時に痛みによって起きてしまったり、起床時に肩の痛みを強く自覚します。
これは寝ている時にも肩関節の周りの筋肉が力んでしまってリラックスできない状況までなっていることを示します。
常に痛みを感じるせいで肩だけでなく全身にも緊張が入ってしまいなかなかリラックスできませんし、時間と共に改善していかないことがより不安を募らせてしまい心に余裕がなくなってしまいます。
「ほおっておけば治るだろう・・」ではないので、医療機関への受診や鍼灸整骨院などの治療院への相談をおすすめいたします!
五十肩の治療やアプローチについて
まず痛みが著明に出ている場合には何が原因の痛みなのかを精査する必要があります。
そのため整形外科による専門的な診断が必要となりますので、早急な受診をおすすめいたします。
レントゲン撮影やMRI撮影、超音波エコー検査、徒手的な整形外科的テストを用いて肩関節周囲炎と診断されてから具体的にリハビリテーションを実施していきます。
このとき痛みが強い場合には関節内に痛み止めの注射をされたり、近年では筋膜リリース注射(ハイドロリリース注射)などの処置をされることも増えてきました。
診断後には適切なリハビリテーションが必要です。
痛みが徐々に落ち着いてくると勝手にリハビリテーションをやめてしまうことがありますがこれは危険です!
この状態はただ症状が落ち着いた状態であって根本的な問題は全く解決しておらず、しばらくしてから再燃してしまう、前の状態より肩の動きが悪くなってしまう、といった状況になりえますのでリハビリテーションは根気よく行うように心がけてください。
肩の動きをよくしていったり、インナーマッスルの働きを改善させるためにエクササイズをしていったりすることで少しずつ改善がみられるようになっていきます。そして肩だけでなく脊柱(背骨)や骨盤・股関節など全身の動きも不具合があることが多いのでそこも合わせてアプローチしていく必要があります。
あとは環境設定もリハビリテーションをしていく上では大切であり、例えば夜間痛がある場合には肩関節周りが無意識に力が入っている状態になってしまっているので、就寝時あおむけで寝る場合には肩後面とベッドマットレスとの隙間にタオルやクッションを敷いたり、横向きに寝る場合には、抱き枕のようなものを用いて腕の重さをカバーできるような環境にしてあげると就寝時に肩関節周りの筋肉に力が入ることなくリラックスして寝ることができます。
五十肩にならないために、再発しないために
治療やアプローチでも述べたように、五十肩(肩関節周囲炎)の治療・リハビリテーションは根気よく向き合うことが必要です。
すぐに結果を求めたくもなりますが、五十肩の場合、急激に痛みが出たわけではなく日々の積み重ねの結果、痛みを生じることが多いので寛解にまでには時間を有します。Genki鍼灸整骨院では丁寧なカウセリングを行い、なぜ肩の痛みなど症状が出てしまったのか、痛みが出てしまう動作はどのように行なっているのか細かくチェックしていきます。
そして問題の起きている肩関節の機能を改善させるためにさまざまなアプローチを実施していきます。
自宅でも簡単に行えるセルフケア・セルフエクササイズも丁寧に指導していきますので、だんだんとよくなっていくことが実感できます!
また肩関節だけでなく肩関節に負担が起きないようにするために脊柱の動きや骨盤・股関節など全身と連動できるようにアプローチし、今回の痛みだけではなく再発防止のための身体作りも行なっていきます。
肩の痛みによる五十肩でお悩みの方は是非お近くのGenki鍼灸整骨院までご相談ください!
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